私は「月20時間以上の残業」をしている。
時給×1.25倍という残業代目当てに、自分の時間を切り売りしている。
しかし、心の中には「もやもや」とした気持ちがあり、「残業をやめるべきではないか?」という考えが常に浮かび続けている。
副業で稼いではいるものの、お金に対する不安は消えない。
「稼げるうちに稼いでおこう」という思いが強くて、なかなか残業をやめる決心がつかない。
だが、冷静に考えてみると「時間を切り売り」するのは、多大な損失とも言える。
なぜならば、時間は「不可逆的な資産」だからだ。
不可逆的な資産、つまりは「失ったら2度と手に入らない資産」ということである。
今回はこんな感じの話をしていこうと思う。
時間は不可逆的な資産だから使い方には気をつけろ
お金は稼ごうと思えば稼ぐことができる。
(※金額どうのこうのというわけではなく、「お金自体は稼げる」という意味で)
しかし、その「稼いだお金で売った時間を買い戻すこど」は不可能だ。
いや、正確には、
というべきだろう。
外部に委託すれば時間は手に入る
金に糸目をつけないならば、時間を手に入れることは可能だ。
例えば、
- 常に移動をタクシーにする
- 掃除をロボット掃除機に任せる
- 毎日の食事を宅配弁当で済ます
など、本来は自分でやるはずだったことを「外部に委託する」ことで、自由な時間を手に入れることができるわけである。
とはいえ、ほとんどの人たちはそこまでお金に余裕は無いし、あっても「欲しいものを買う」という物理的な使い方を優先するため、できるのは「一部の金持ち」に限られるだろう。
金持ちは「時間を確保すること」ができる
金持ちは、財力で時間を手に入れることができる。
だが、少し視点を変えると「結局は買えていない」ことになる。
理由としては「時間は常に前進しているから」だ。
金の力で自由な時間を手に入れても、それはあくまで「これからの時間を確保した」だけであり、過ぎ去ってしまった「さっきの時間を買い戻した」わけではない。
有限である時間軸から、お金の力で「未来から時間を前借りする」ことは可能でも、別のことに使ってしまった「過去の時間を返済してもらう」ことは出来ない。
いくらお金を持っていても、時間に対して出来ることは「確保すること」だけ。
それだけでも十分と言えるかもしれないが、未来から前借りしているだけということを忘れてはならない。
限られた時間は確実に迫ってきており、失われた時間は永遠に戻ることは無いのだから。
時間の価値は若いときこそ高くなる
時間が経過すれば、当然ながら歳も取る。
体力も記憶力も知力も衰えていき、やれることの範囲は狭くなっていく。
70歳の金持ちが金の力で「時間を確保」しても、たいしたことはできない。
しかし、もっと若ければ「やれることの範囲」は多くなる。
お金こそ無いにせよ、時間という資産はまだ膨大に残っており、使い方さえ間違えなければ「未来の可能性を限りなく広げること」は可能だ。
そう、「使い方さえ間違えなければ」ね。
不可逆的な資産をドブに捨てる愚か者
時間という膨大な資産を保有しておきながら、多くの人間はそれをドブに捨てている。
しかも、捨てていることに対して「無自覚・無意識である」ため、悲惨すぎて目も当てられない状態だ。
などと、偉そうなことを言っているが、私も「不可逆的な資産をドブに捨てている愚か者」である。
冒頭で話したとおり、私は月20時間以上の残業をしている。
時給×1.25倍の残業代目当てで、「自分の時間を切り売り」している。
そう、不可逆的な資産を「目先の利益のために売り払っている」のだ。
「1日1時間程度なら残業としてはマシなほうだろ」と思うかもしれないが、そう考えてしまっている時点で、あなたは「相当な額の時間を浪費していることに無自覚」だと気付いてほしい。
- 1日=1時間
- 1ヶ月=20時間
- 1年=240時間
人間が「なにかを習慣化する」には、「21日間」続ければ身に付くと言われている。
この残業していた1時間を使って、筋トレや瞑想や読書などの「良習慣」が出来るようになっていたら、生活の質は大きく上がっていたはずだ。
また、「特定のスキルを習得する」には、
- 20時間
=ある程度できるようになる - 1000時間
=その道の中級者になれる - 10000時間
=その道の一流になれる
という法則が存在する。
1時間の残業を「資格の勉強」や「諦めかけていた夢」などのために使えたら、未来への可能性は大きく広がっていただろう。
だが、我々は「目先の利益を優先する」あまり、貴重な時間を浪費しているのだ。
残業をするということは、「あとでも手に入る資産(金)のために、2度と手に入らない資産(時間)を運用しているようなもの」と言える。
短い目で見れば利益を得ているように感じられるが、実際は多大な損失、それも「取り戻せない損失」を受けているのである。
まとめ
ある日の夕方、仕事が定時を迎えるころ、今回のような考えが浮かんだ。
ありがたいことに仕事自体は楽しいし、自分に向いているため、残業をすることは別に嫌なわけではない。
むしろ、やっておきたい仕事もあるから、積極的に残業したいと思うほどだ。
しかし、「残業代って目先の利益だよなぁ」と思うことも事実。
お金を稼いではいるけど、時間を無駄にしている感覚も同時に味わっている。
時間という資産を上手く活用するには、残業をやめるべきなのは明白だ。
いきなりは難しいかもしれないが、少しずつでも時間を切り売るのはやめて、未来のためになるような使い方をしようと思う。
これを読んだあなたも、どうか、時間という不可逆的な資産の使い方には気をつけてほしい。